離婚の基礎知識 6

離婚に関する男女感

  1.  女性は、夫が我が儘でもまずは我慢する。少なくとも半年から1年くらいは我慢する。その間、一生懸命夫と話し合おうとしたりもする。
     しかし女性が我慢の限界を超えると、手のひらを返したように冷たくなり、夫と一緒にいる空気がイヤだと言ってもさっさと子供を連れて別居する。その時も一々事前に夫に別居を告知することはなく、夫の平日不在時に、置き手紙一枚でいなくなる。無言で子供を連れて立ち去るケースもある。
  2.  これに対して、男性は現状把握に極めて鈍感で、女性の修復の要請に対して、何の対応も取ろうとしない。何か感じていても何の行動も取らない。そればかりか、妻の要求に対して理不尽にも怒ったりもする。それを理由に不倫に走ったりする男性も少なくないが、最悪である。その後の多大の苦難が男性は一つもわかっていない。
  3.  女性が男性に対し愛想を尽かし夫婦間バトルが始まって、漸く男性は対応しようとするが、後手後手に回っていて、妻はもはや夫の方を向くことはない。
  4.  以上の男女間の差異を認識して事に当たらないと、男性は調停で苦労するのである。

子供の引渡請求が認められる場合があるか

  1.  母親が子供を引き連れて実家やその他の場所に行ってしまい帰ってこないと言うケースは、離婚事件において日常茶飯事に見られる事象です。父親は連絡もなしに突然妻子がいなくなって気が気ではない。

  2. その場合の方法としては、以下の方法があります。
    (1) 子の監護に関する処分としての子の引渡の審判の申立て
    (2) 審判前の保全処分としての子の引渡しの仮処分の申立て
    (3) 人身保護法による子の引渡のための人身保護請求
     しかし、何れの場合も、父親の元で育てた方が、子供にとって有益である、逆に言うと母親の所では十分な養育ができないと言う特段の事情が必要です。
     妻子が突然いなくなり以後別居となる状態は、それまでの間夫婦間で諍いになっていて、妻子がいたたまれなくなって別居を強いられたという弁解が妻から出るのが通常であり、別居事件は程度の差はあれ、係る事情が存在するのが通常との経験則が既に確立している傾向があります。従って父親の言い分が通るケースは希と言っていいでしょう。よって父親に対して何の説明もなく妻子がいなくなったという事情は重視されません。そのことは、今までの夫婦の諍いを振り返れば理解できたはずだというのが家裁の考えです。
     しかも通常父親の勤務体系はフルタイム+残業つきであり子供の養育にすぐ対応できないのに対し、母親はパート従業員で9.00-17.00の勤務時間後は、全て子供の育児に充てられるという事情が多くの場合あり、この点からも父親が子供を引き取ることは難しいでしょう。 この場合、祖父母が面倒を見ると弁解しても、家裁は第一次的な監護者である父母の生活環境を重視するので、祖父母が補助すると弁解しても子供を引き取ることは難しいです。

  3.  そうなると、父親は子供の引取は諦めて、面会交流の申立で子供との面会を求めて行かざるを得ません。

親権変更は難しい

1 親権者の変更はそう簡単には認められません。

 すでに定められた親権はそう簡単には変更すべきではないから、現在の親権者による養育環境が離婚時よりも悪化していて、親権者を途中で変更する方が、子どもの健全な成長にプラスになる場合に限られます

2 親権変更の条件

(1)監護している親側の事情として、離婚時と比較して、経済力・養育環境が悪化していないか?。子どもに対する愛情は十分かが検討されます。

 イ 親権者が、ギャンブルや恋愛にのめりこんでこどもの世話をせず放置している。

 ロ 親権者が子どもを虐待している。

 ハ 看護している親が健康か。病気の有無、精神的疾患の有無。


(2)申立人の事情

 申立人が親権者の変更を希望する理由は何か、養育環境は適切か、定職についているか、安定した収入があるか、子どもを毎日保育園に送り迎えできる状況にあるか、子どもに対する愛情は十分か?、心身が健康か?


(3)子どもの事情 子どもの年齢,性別,性格,就学の有無,生活環境。

 ①子どもが幼い場合は母親が育てるべきだという考え方が家裁には強く、養育環境がかなり悪化しているような状態でない限り、親権が母親から父親に変更されることは少ないでしょう。

 15才以上の場合は子の意見を聞かないといけません。15才以下でも、12歳位からは裁判所は子供の意思を重視します。

 ②子どもの精神的安定 変更した方が、子供の精神状態情緒が安定するか。

3 不倫をした側であっても親権者変更調停の申立ては可能です。

 有責配偶者でも親権変更の申立ては可能です。離婚は夫婦間の問題であるのに対し、親権は子供にとってどちらが親としてふさわしいかを問題にするからです。両者は問題点が異なるのです。

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