離婚の基礎知識 9

協議離婚・調停離婚・裁判離婚

1 協議離婚・示談交渉

 協議離婚は、未成年者の親権の帰属をどちらにするかを決め、本籍・住所等を記載し署名捺印(三文判でOK)、あとは証人2名が署名捺印(三文判でOK)するだけ。どちらか一方が役所に届けでて離婚が成立します。離婚のうち88%は協議離婚です。 

 離婚事件を弁護士同士の「示談交渉」で解決できるでしょうか。もしできるのなら費用も安くて済みます。しかし、当事者間では解決がムリだから弁護士のところに来ているのです。弁護士はその一方当事者の弁護に努めるが仕事です。裁判所のように真ん中に立って中立的な解決を図る仕事ではありません。実際にも、弁護士は依頼者を擁護し、相手方を非難する諸行動をとります。よって、弁護士同士による示談解決は基本的にムリと言って良いでしょう。

 例外は「できちゃった婚」などの若い婚姻事件で、弁護士が当事者の間に入って反省を促しやり直しを進言して、うまく行く場合があります。

2 調停離婚

 調停離婚は、話し合いで離婚出来ないとき、つまり協議離婚が出来ないときに、家庭裁判所に申し立てるのものです。申立用紙は家庭裁判所に行けばもらえます。書く内容はほとんどレ点をつけるだけの簡単なものです。調停では夫婦が顔を合わせることはありません。待合室も別々で、調停室に交互に入れ替わって調停を行います。

 「調停」はあくまで当事者の話し合いによる解決です。調停委員は当事者の間に入って意見の伝達・調整を行うに過ぎず、裁判官が法律要件に基づいて強制的に解決してくれる本裁判のようには行きません。要は、調停委員はメッセンジャーであり、行司役に過ぎないと言うことです。つまり調停委員は公平なメッセンジャーであり、相手方の言い分をそのまま伝えるだけで、裁判官のように仕切ったりはしません。ここが弁護士からみると歯がゆいところなのですが、弁護士がつかない当事者だけの場合は、調停委員は説得しやすい当事者の一方を強引に仕切ってくることもあるようです。なお調停は本裁判を提起する前に必ず行わないといけません(調停前置主義)。

 当事者が譲り合って話し合いで解決をしようという機運が見られるのなら、調停は本裁判のように証拠を出し合って書面で議論し応酬し合うより比較的短期間に円満な解決がもたらされる可能性があります。

 これに対し、当事者間の対立が激しく、調停委員の調整もうまく行っていない事件では、今後調停を続けても無意味です。そのような場合は、調停の回数に関係なく(極端な場合第1回調停期日であっても)、「調停は不調」にして、本訴を提起すべきです。
 この場合調停委員や審判官の意見は重視する必要はありません。彼らは何とかして調停内での解決を図ろうとする傾向があり、そのような態度は当事者の利益と対立するからです。そういう時当事者はもはや話し合いはしたくないとイライラしているからです。その利益を守る必要があります。しかし、なかなか当事者は裁判所の意向に逆らって方針を決めることは困難です。そこで弁護士に代弁して貰う必要があるのです。

調停が不調になると、いよいよ本裁判の提起となります。


3 裁判離婚

  以上のように調停での話し合いによる解決が難しい時は、さっさと本訴(訴状提出)を提起しましょう。本裁判は、証拠に基づいて、主張も書面に基づいてしっかりとやっていきます。手続も人事訴訟法という法律に基づいて厳格に行われますから、民法に定められた離婚条件を法律に則って解決したいと思う時は、本裁判が適切です。調停が素人の調停委員による意見調整による解決に過ぎないことと比べ、本裁判は、法律要件に基づいた強制的解決であること、離婚事件の専門家である家事裁判官が中心になって進行を仕切ってくれることが特徴で、裁判による解決は強力です。ただ、時間がかかるのが難点です。

 裁判離婚は、家庭裁判所に訴状を提出して離婚を争います。弁護士を頼まずに、訴状を自分で書いて出す人もいますが、所詮素人の文章です、余計な感情論ばかりが書いてあって、訴状に必要な法律要件に関する記載が不十分なものも多いです。裁判官から弁護士を頼んで書いてもらった方がいいと指摘されるケースも少なくありません。本裁判は、調停と異なり、書面と証拠による解決ですが、もし途中和解ができれば、調停と同じように裁判官が和解調書を作って解決しますが、それができないと、判決によって離婚の可否が決められます。つまり判決による場合は、話し合い(和解)で解決出来なかった事件であるため、その後も感情論がうごめき、すっきりした解決ができないケースが多いです。

離婚と面会交流

 家裁で面会交流のルールを決めるということは、面会交流につき当事者間に争いがあるわけです。そう言う場合、裁判所は、「月1回程度、時間は数時間、場所は公共の場所」ということが多いです。
 遠隔地の場合は、数ヶ月に1回、あるいは夏休み・冬休みと言うことも多いです。泊まりの面会交流は、ある程度安定してから検討されることが多いです。細かなことですが、子供の引き渡し方法(誰が連れて行くか、どこで引き渡すか)も意外とよく揉めます。金銭授与やプレゼントの付与も揉めることがあります。予定変更の際の連絡方法もちゃんと決めておかないと、急用の場合にも困ります。夫婦双方連絡を取り合いたくないというケースも多く、携帯のショートメールでということも少なくありません。帰宅時間の不遵守もよく揉める事項です。取り決められたルールを守らないと、その後の面会交流がスムーズに営まれなくなるので気を付けましょう。


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