離婚の基礎知識 10

婚姻関係破綻後の不倫と慰謝料請求

 有名な判例として,「婚姻関係がすでに破綻している場合には,不倫をしても,家庭生活の平穏を違法に侵害したことにはならない」として,慰謝料請求を否定した最高裁判所があります(最高裁判所平成8年3月26日の判決)。
 ここでは「婚姻関係が破綻しているか」どうかが焦点となります。婚姻関係が破綻したと言えるためには,相当程度の期間別居していたことが必要、あるいは別居していなくとも双方が離婚の意思を有し離婚条件を具体的に詰めているような状態にあることが必要でしょう。単に夫婦関係が冷えているとか、寝室を別にしている程度では婚姻破綻とは言えません。この裁判例は,別居して3ヶ月目には早くも不倫を始めており,果たして別居期間3ヶ月で夫婦関係が破綻していると言えるかは疑問との批判があります。
 不倫相手から「夫婦関係はとっくの昔に夫婦関係は破綻している。安心して付き合って欲しい」と不倫に誘われた場合でも、そう信じることに過失がある場合には、慰謝料支払い義務が生じるので注意が必要です。単に男の言葉を信じただけではダメでしょうね。そういうわけで,ここを読まれた方は,最高裁判所の判決を自分に都合良く鵜呑みにされないようお気を付け下さい。

別居と離婚-自宅のカギを変えられてしまった

 「不在時勝手に入られるのは怖い、気持ちが悪い。」「勝手に出ていったのだから、勝手に入らないで。」方や「自宅は名義も自分名義。俺の家だ。」等々、話し合いにならない事件を今やっています。相手方がパトカーを呼んで警察沙汰になることもよくあります。理屈の上では、離婚していない以上本来自宅に立ち入る権利はあるわけですが、離婚紛争中は、相手方が神経過敏になっており、一度出ていくと、なかなか自由に立ち入れないのが実情です。
 その解決策は、通常弁護士同士が間に入って、双方が連絡しあって、相手方の了解の下に立ち入ると。そうしないと、本丸の離婚事件の解決が極端に遅くなってしまいます。

別居と離婚

子供に会わせないと離婚しないと言う夫

 夫は子供と面会させろと、しつこく要求してきます。夫が面会交流に固執する理由は、子供に頻繁に会いたいからです。離婚してしまうと、調停中より、会いにくくなるのではないかと心配するのです。
 私は、可能な限り母親を説得して、調停委員に、面会交流には協力するから、離婚調停をスムーズに進行させて欲しいと進言します。面会交流をスムーズに進行させて、調停3回目辺りから離婚調停を本格化させる作戦です。
 このように夫が面会交流に固執する事件では、まず安定的に面会交流を実施させていかないと、夫はなかなか離婚の話しに乗って来ません。夫は子供に会えないのなら離婚の話しもしたくないというようになります。そうなると、離婚調停はさっぱり動かなくなります。しかしなかなか母親は首を縦に振りません。
 そうなると面会交流調停は不調になり、当然に審判に移行します。しかし裁判官は面会交流を止めることはしません。
「今後は相手方を不安にさせる不用意なことはしないよう」にと夫に注意するだけです。なぜなら父親は離婚しても一生父親であり、子に虐待でもしない限り、父親は子供にとって唯一の父親だから、今後も子供を父親に会わせる必要があると考えるからです。 母親が同意しなくても、裁判官は面会交流を認める決定を一方的に出します。

 以上面会交流を順調にこなすようにしていかないと、本丸の離婚事件はなかなか前に進まないないことに留意して下さい。


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