離婚の基礎知識 10

妻が突然子供子供を連れて出ていった

・これは違法ではありません。裁判所は妻に夫と同居を継続できない理由があると推定します。

・逆に、夫が妻子を探し回ると、妻から110番通報されて、夫が警察の接近禁止の警告に従わないと、逮捕されることがあります。私は過去に夫が逮捕された案件を1件経験しました。

・こうなると、夫は家裁に、離婚調停申立か夫婦和合の調停の申立をするしかありません。

別居と離婚-自宅のカギを変えられてしまった

 「不在時勝手に入られるのは怖い、気持ちが悪い。」「勝手に出ていったのだから、勝手に入らないで。」方や「自宅は名義も自分名義。俺の家だ。」等々、話し合いにならない事件を今やっています。相手方がパトカーを呼んで警察沙汰になることもよくあります。理屈の上では、離婚していない以上本来自宅に立ち入る権利はあるわけですが、離婚紛争中は、相手方が神経過敏になっており、一度出ていくと、なかなか自由に立ち入れないのが実情です。
 その解決策は、通常弁護士同士が間に入って、双方が連絡しあって、相手方の了解の下に立ち入ると。そうしないと、本丸の離婚事件の解決が極端に遅くなってしまいます。

別居と離婚

子供に会わせないと離婚しないと言う夫

 夫は子供と面会させろと、しつこく要求してきます。夫が面会交流に固執する理由は、子供に頻繁に会いたいからです。離婚してしまうと、調停中より、会いにくくなるのではないかと心配するのです。
 私は、可能な限り母親を説得して、調停委員に、面会交流には協力するから、離婚調停をスムーズに進行させて欲しいと進言します。面会交流をスムーズに進行させて、調停3回目辺りから離婚調停を本格化させる作戦です。
 このように夫が面会交流に固執する事件では、まず安定的に面会交流を実施させていかないと、夫はなかなか離婚の話しに乗って来ません。夫は子供に会えないのなら離婚の話しもしたくないというようになります。そうなると、離婚調停はさっぱり動かなくなります。しかしなかなか母親は首を縦に振りません。
 そうなると面会交流調停は不調になり、当然に審判に移行します。しかし裁判官は面会交流を止めることはしません。
「今後は相手方を不安にさせる不用意なことはしないよう」にと夫に注意するだけです。なぜなら父親は離婚しても一生父親であり、子に虐待でもしない限り、父親は子供にとって唯一の父親だから、今後も子供を父親に会わせる必要があると考えるからです。 母親が同意しなくても、裁判官は面会交流を認める決定を一方的に出します。

 以上面会交流を順調にこなすようにしていかないと、本丸の離婚事件はなかなか前に進まないないことに留意して下さい。

子供に会わせたくない

1 面会交流の拒否は出来ません

親権者や監護者にならなかった親に、子を会わせないようにすることは原則としてできません。面会交流は、男親女親との交流を通じて、人間関係を学習する大切な機会であり、子の成長発達にとってかかせないものだからです。

2 例外的に面会交流の制限が認められる場合

相手が勝手に子と会ったり、子を連れ去ろうとしたりする場合は、子に動揺を与え、精神的不安を招くこともありえます。こういう場合面会交流権の制限を家庭裁判所に申し立てることができます。悪影響が出るような場合には、子がある年齢に達するまでの面会を禁止する、親権者または監護者同伴の場で会うなどの方法も考えられます。子の面会の際に復縁を迫ったり、金銭の無心を言ったりするような場合には、面会交流権の濫用として、面会交流権の停止を家庭裁判所に申し立てることができます。

3 面会交流が認められない具体例

①親権喪失事由(著しい不行跡)がある。例えば子に暴力を振るう場合

②支払能力があるにもかかわらず養育費を負担しない。子に対する愛情に疑問がありますので面会交流権が制限される可能性があります。

③子や親権者または監護者に暴力を振るうなど、悪影響を及ぼす場合

④子の年齢から見て面会交流を望んでいないと判定できる場合

⑤思春期の子など年齢的に非常に難しい場合。別れて暮らしている親と会うと精神状態が動揺する場合。

4 面会交流の条件に納得できない場合

調停・審判を申し立てる。

5 面会交流を拒否された場合

家庭裁判所へ面会交流の調停・審判を申立てることができます。

6 一旦認められた面会交流も、子に悪影響を与えたり、子のためにならないと認められる場合には、一時的に停止される場合があります。

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2013.H25. 5 札幌弁護士会に登録替

2016.H28. 7 再び静岡県弁護士会へ

2017.H29. 5【HP】リニューアル

2017.H29. 9 弁護士ドットコム 

2021.R3  東京第二弁護士会に登録変更予定